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2023年01月12日

個人情報漏えいと自衛隊への個人情報提供についての質問

2022年9月14日の質問、下記①~③に対し10月7日に回答(浜総文第360号)をいただきました。
「スーパーシティを考える会」の見解を公表します。
【質問】
①2019年の個人情報漏洩の後、どんな反省をして、どんな対策を立てたのでしょうか。
②今回の情報漏洩に対しては、だれが責任をとり、どのような対策をとるのか具体的にお答えください。
③自衛隊への個人情報の提供は、当該住民の「同意確認」を取るよう、要望します。

【浜松市こども家庭部幼児教育・保育課の回答】
①2019年の個人情報漏えい事故の対策について
再発防止には、チェック体制と業務プロセスの両面から見直す必要があると考え、それぞれで対策を実行しました。チェック体制については、データ管理や通知データ作成を担当者1人が行っていましたが、通知書作成段階でグループ長が再確認(ダブルチェック)するように改めました。
業務プロセスでは、在園児の保護者宛の通知は園を経由してお渡しするよう見直し、送付先誤りが生じない手順としました。
【私たちの見解】
「通知書作成段階でグループ長が再確認( ダブルチェック)するように改めた」というのは、文書作成に関するダブルチェックについてです。この漏洩事故は送信・送付の際にダブルチェックがなされなかったことから、送付ミスが発生したと想定されます。送信・送付段階でのチェック態勢の改善が検討されなかったからこそ起きたミスであり、現場での人員体制が充分でなかったことが原因だと考えられます。


【浜松市健康福祉部国保年金課の回答】
②-1 今回の個人情報漏えい事故の対策について
本件については、各区役所で実施している保険証発送に伴いDV被害支援 対象者などの異動状況を確認する作業において発生したものです。前回の個人情報漏えいを踏まえ、複数職員による再確認(ダブルチェック)について 徹底を図ってきましたが、それがなされていなかったことが原因と推測されます。
なお、今後につきましては、作業の現状を検証した上で、再発防止に向けて次の4点の防止策を実施します。
(1)本件については重要な個人情報を取り扱う業務であり対象人数も限られていることから、本庁で集約して作業することにより情報の拡散を限定します。
(2)(紙)リストでの確認作業は廃止し、電子データ上で行います。
(3)DV被害に関する研修を行い職員の意識啓発を図ります。
(4)作業を行う場合、必ず複数職員で再確認(ダブルチェック)し、作業前後には、管理職に報告します。
【私たちの見解】
「複数職員による再確認(ダブルチェック)について徹底を図ってきましたが、それがなされていなかったことが原因と推測されます」という回答は責任感が欠けた、他人事であるかのような表現です。度重なる事故は「複数職員で再確認( ダブルチェック)」の徹底がなされなかったからこそ発生したものです。こうしたミスが発生する構造的な原因を究明しなければミスは防ぐことができません。私たちは「行政の効率化」の名のもとに、浜松市が進めてきた過度な「人減らし」に根本的な原因があると感じています。
また、⑵「(紙)リストでの確認作業は廃止し、電子データ上で行う」としても、送付作業の段階でチェックできなければ解決になりません。
⑶「研修を行い職員の意識啓発を図る」のは当然ですが、今まで十分になされていなかったことこそ問題です。DV問題を軽視しており、重大事件につながる恐れがあるとの認識を徹底しなければならなかったはずです。
⑷の対策は当然ですが、「効率化」を強く求められることで職員の負担はさらに過重になります。


【浜松市総務部文書行政課の回答】
全庁的な対策としては、事故発覚後、各所属長に対しては、綱紀の粛正と 個人情報漏えい対策の徹底について通知し、再び個人情報漏えい事故を起こさないよう、対策を講じるよう指示しました。
職員に対しては、研修を実施し、個人情報保護についての周知を、より徹底してまいります。
【私たちの見解】
「綱紀の粛正と個人情報漏えい対策の徹底について通知し」「対策を講じるよう指示」するだけでは何ら対策になっていないのは、度重なる漏洩事故の発生から明らかです。
 ダブルチェックが恒常的に行える「職員の人員確保」が最重要課題です。


【浜松市総務部人事課の回答】
②-2 個人情報漏えい事故については誰が責任をとるのか。
職員が公務を遂行する中で非違行為等により公務全体の信用を失墜させた場合には、職員と管理監督者であるその上司に対し処分を行います。
私たちの見解】
 今回の個人情報漏えい事故についても、どのように責任がとられたのか明らかにされていません。回答にある「非違行為等により公務全体の信用を失墜させた場合」とはいったいどのような場合でしょうか。結局、だれも責任をとらない体制ができあがっているのではないでしょうか。私たちは事故の当事者に厳罰を求めているのではありません。個人情報漏えい事故を防ぐ対策を徹底してほしいのです。
 現状は市政全体が無責任体制になっている、とりわけ管理職の立場にいる市職員が思考停止に陥り、国や県の施策に忠実に従う姿勢がその根本的な原因となっていると感じています。職員が「ひとを思い、助け合い、共に生きる社会を築きます」との市民憲章に添った業務のできる具体的な現場での整備、特に人員整備が必要です。


【浜松市総務部文書行政課の回答】
③自衛隊への個人情報の提供は、当該住民の「同意確認」を取るよう要望します。
前回もお答えしたとおり、自衛隊法施行令第120条の規定に基づく募集対象者情報の提供であることから、現在のところ、本人の同意確認を取ることは考えておりません。
【私たちの見解】
浜松市は地方自治体としての独自性の追求を、まったく放棄しているようにしか見えません。他の政令市でも独自の判断で自衛隊への情報提供について、本人の「除外申請」を受け付ける都市(福岡市は2020年から、名古屋市は2021年から)もあります。沖縄県名護市では名簿提供をやめ、2023年度から従来の来庁による閲覧に戻すとしたと報道されています。
国の施策について浜松市独自の工夫や判断をせず、そのまま従うことで地方自治は機能せず単なる国の出先機関になってしまいます。なりふり構わない「マイナンバーカード」取得の推進、紙の健康保険証廃止策など、国の施策は従来の方針や説明を簡単に変えるなど、監視社会化にまい進する姿勢を鮮明にしています。だからこそ地方自治の理念にたちかえり、浜松市独自の判断で市民の個人情報を守っていくべきです。



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Posted by スーパーシティってなあに? at 21:50│Comments(0)公開質問状
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